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論文

A Terrestrial SER Estimation Methodology Based on Simulation Coupled With One-Time Neutron Irradiation Testing

安部 晋一郎; 橋本 昌宜*; Liao, W.*; 加藤 貴志*; 浅井 弘彰*; 新保 健一*; 松山 英也*; 佐藤 達彦; 小林 和淑*; 渡辺 幸信*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 70(8, Part 1), p.1652 - 1657, 2023/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Electrical & Electronic)

中性子を起因とする半導体デバイスのシングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、地上にある電子機器の動作の信頼性に関係する問題となる。白色中性子ビームを用いた加速器試験では、現実的な環境の中性子起因ソフトエラー率(SER: Soft Error rate)を測定できるが、世界的にも白色中性子ビームを供給できる施設の数は少ない。ここで、多様な中性子源に適用可能な単一線源照射を地上におけるSER評価に適用できる場合、ビームタイムの欠乏を解消できる。本研究では、これまでに得られた測定結果のうち任意の1つを抽出し、これとPHITSシミュレーションで得たSEU断面積を用いた地上環境におけるSERの評価の可能性を調査した。その結果、提案する推定法で得られたSERは、最悪の場合でも従来のWeibull関数を用いた評価値と2.7倍以内で一致することを明らかにした。また、SER評価におけるシミュレーションコストを低減する簡易化の影響も明らかにした。

論文

Experimental study on the localization and estimation of radioactivity in concrete rubble using image reconstruction algorithms

高井 静霞; 行川 正和*; 島田 太郎; 武田 聖司

IEEE Transactions on Nuclear Science, 69(7), p.1789 - 1798, 2022/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Electrical & Electronic)

福島第一原子力発電所内に保管されている大量の汚染コンクリートがれきの量を減らすためには、サイト内で低い放射能のがれきを再利用することが有用である。事故によるがれきの汚染の詳細は明らかでなくホットスポットを含む可能性がある。そのため、安全性を確保しながら再利用を進めるためには、コンクリートがれきの平均放射能だけでなく放射能濃度分布を効率的に評価する必要がある。しかし、厚いまたは密な物質の不均質な汚染の評価は、クリアランスモニタ等の従来の測定システムでは困難であった。本研究では、容器内に収納されたコンクリートの放射能濃度分布の評価に対する、画像再構成アルゴリズムの適用可能性を実験的に確認した。放射線は容器(50$$times$$50$$times$$40cm$$^{3}$$)の周囲に設置したプラスチックシンチレーションファイバーにより測定した。局所的なホットスポットは、汚染瓦礫の主要核種の一つである、$$^{137}$$Csの標準線源により模擬した。放射能濃度分布は容器内の100または50のボクセル(ボクセルのサイズ: (10cm)$$^{3}$$または10$$times$$10$$times$$20cm$$^{3}$$)に対して評価した。ボクセル数が100の場合容器内部のホットスポットは検知できなかったが、ボクセル数が50の場合容器内部・表面の両者のホットスポットを再現できた。画像再構成アルゴリズムのうち、ML-EM法により評価された濃度分布が最も精度が良く、全7つの実験ケースに対し70%の精度で平均濃度を評価できた。

論文

Development of next-generation timing system for the Japan Proton Accelerator Research Complex

田村 文彦; 高橋 博樹; 上窪田 紀彦*; 伊藤 雄一*; 林 直樹

IEEE Transactions on Nuclear Science, 68(8), p.2043 - 2050, 2021/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Electrical & Electronic)

J-PARCのような大強度陽子加速器では、高精度で安定したタイミングシステムが必要である。J-PARCの建設中に開発された既存のタイミングシステムは、2006年の運転開始から大きな問題なく稼働している。しかし、10年以上の運転期間が経過し、信号伝達の主要なコンポーネントである光素子が製造中止となり、今後の長期にわたるシステムの維持が困難となったため、次世代タイミングシステムの開発を行った。新システムは、動作原理の点で既存システムとの互換性を考慮して設計されている。本発表では、次世代タイミングシステムのシステム構成と現状について報告を行う。

論文

Characterizing energetic dependence of low-energy neutron-induced SEU and MCU and its influence on estimation of terrestrial SER in 65-nm Bulk SRAM

Liao, W.*; 伊東 功次郎*; 安部 晋一郎; 密山 幸男*; 橋本 昌宜*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 68(6), p.1228 - 1234, 2021/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:31.78(Engineering, Electrical & Electronic)

二次宇宙線中性子が引き起こすメモリ情報の反転現象であるシングルイベントアップセット(SEUs: Single Event Upsets)は、地上における電子機器の誤動作現象の原因となる。特に、複数メモリセル反転(MCUs: Multiple Cell Upsets)は、エラーの訂正が困難であるため、深刻な問題となる可能性もある。本研究では、10MeV以下の低エネルギー中性子の影響を明らかにすることを目的とし、産業技術総合研究所にて半導体デバイス設計ルール65nmのBulk SRAMへ異なるエネルギーの単色中性子を照射し、SEU断面積およびMCU断面積を測定した。その結果、6MeV前後でSEU断面積が大きく変化することや、数MeVの中性子でも全体に占めるMCUの割合は大きく変わらないことなどを明らかにした。また、SEU断面積およびMCU断面積と、ニューヨークと東京の二次宇宙線中性子スペクトルを用いてソフトエラー率を解析した結果、地上環境では低エネルギー中性子の影響はそれほどない事なども判った。

論文

Development of a Gd$$_{2}$$Si$$_{2}$$O$$_{7}$$ (GPS) scintillator-based alpha imaging detector for rapid plutonium detection in high-radon environments

森下 祐樹; 井崎 賢二; 金子 純一*; 山本 誠一*; 樋口 幹雄*; 鳥居 建男

IEEE Transactions on Nuclear Science, 67(10), p.2203 - 2208, 2020/10

 被引用回数:9 パーセンタイル:71.58(Engineering, Electrical & Electronic)

Gd$$_{2}$$Si$$_{2}$$O$$_{7}$$(GPS)シンチレータベースの$$alpha$$線イメージング検出器を開発し、実際のプルトニウム(Pu)粒子と$$^{222}$$Rn子孫核種を測定することにより、$$^{222}$$Rn子孫核種存在下でのPu粒子検知の有効性を実証した。GPSシンチレータプレートの外形寸法は5$$times$$5cmで、シンチレータ層は厚さ3mmの高透明ガラス上に構成され、シンチレータ層の厚みは約50ミクロンであった。シンチレータプレートは、位置感知型光電子増倍管にシリコーングリースで光学的に結合した。開発した$$alpha$$線イメージング検出器は良好な感度の均一性を示した。Pu粒子の放射能を検出器上の14か所の異なる位置で評価した。測定した$$alpha$$線のカウントから放射能は正確に評価され、その差異は$$pm$$6%以内となった。Pu同位体の$$alpha$$線エネルギー領域にエネルギーウィンドウを適用することにより、ラドン222子孫核種のカウントを65.3%減少することができた。Pu/$$^{222}$$Rn子孫放射能比は1/51であったが、Pu粒子は5分測定で$$^{222}$$Rn子孫核種から識別された。したがって、開発した$$alpha$$線イメージング検出器は、高いラドンバックグラウンド環境下でのでのPu粒子の汚染のモニタリングに有効である。

論文

Impact of the angle of incidence on negative muon-induced SEU cross sections of 65-nm Bulk and FDSOI SRAMs

Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; 安部 晋一郎; 反保 元伸*; 竹下 聡史*; 三宅 康博*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 67(7), p.1566 - 1572, 2020/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Electrical & Electronic)

ミューオン起因シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、デバイスの微細化に伴い増加することが予想されている。環境ミューオンがデバイスに入射する角度は常に垂直とは限らないため、ミューオンの入射角がSEUに及ぼす影響を評価する必要がある。そこで本研究では、バルクSRAMおよびFDSOI SRAMに対して、0度(垂直)と45度(傾斜)の2つの入射角で負ミューオン照射試験を実施した。その結果、傾斜入射では、SEU断面積がピークとなるミューオンエネルギーが高エネルギー側にシフトすることを明らかにした。一方で、SEU断面積の電圧依存性や複数セル反転のパターンなどは、垂直入射と傾斜入射では同様であることも明らかにした。

論文

Measurement of single-event upsets in 65-nm SRAMs under irradiation of spallation neutrons at J-PARC MLF

黒田 順也*; 真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; 伊東 功次郎*; Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 安部 晋一郎; 原田 正英; 及川 健一; 三宅 康博*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 67(7), p.1599 - 1605, 2020/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:45.45(Engineering, Electrical & Electronic)

半導体デバイスの信頼性の観点から、環境放射線起因ソフトエラーは問題となる。ソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)を実測的に評価するために、中性子照射施設にてデバイスへの中性子照射測定実験が一般的に行われる。我々はこれまでに大阪大学のRCNPおよび東北大学のCYRICにて、65nmバルクSRAMおよびSOTB SRAMを対象とした中性子照射SER測定実験を行った。本研究では、同じデバイスを用いて、J-PARC MLFにある大強度の核破砕中性子源のBL10でSER測定実験を実施した。その結果、動作電圧を低くした際のSERの増加割合が、他の施設での測定結果と比べて高いことが判明した。PHITSによる解析の結果、入射中性子と保護樹脂に含まれる水素原子との弾性散乱による二次陽子が原因で動作電圧の低い条件下でSERが増加することを明らかにした。

論文

Impact of irradiation side on neutron-induced single-event upsets in 65-nm Bulk SRAMs

安部 晋一郎; Liao, W.*; 真鍋 征也*; 佐藤 達彦; 橋本 昌宜*; 渡辺 幸信*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 66(7, Part 2 ), p.1374 - 1380, 2019/07

 被引用回数:7 パーセンタイル:61.94(Engineering, Electrical & Electronic)

二次宇宙線中性子起因シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、電子機器の深刻な信頼性問題として知られている。中性子照射施設における加速試験はソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)の迅速な評価に有用だが、実環境におけるSERへの換算や、他の測定データとの比較を行う際には、測定条件に起因する補正が必要となる。本研究では、影響を及ぼす測定条件を明らかにするために、SEU断面積に対する中性子照射方向の影響を調査した。その結果、封止剤側から照射して得られたSERがボード側から照射したときと比べて30-50%高いことが判明した。そのため、測定値を報告する際には中性子の照射方向も明示する必要性があることがわかった。また、この結果は、デバイスを設置する際に封止剤を下に向けることでSERを減らせることを示している。

論文

Development of next-generation LLRF control system for J-PARC rapid cycling synchrotron

田村 文彦; 杉山 泰之*; 吉井 正人*; 漁師 雅次*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 66(7), p.1242 - 1248, 2019/07

 被引用回数:6 パーセンタイル:55.67(Engineering, Electrical & Electronic)

J-PARC RCSのLLRF制御システムは2007年に運転を開始した。システムの重要な機能として、デュアルハーモニック運転とマルチハーモニックRFフィードフォワードによるビームローディング補償が挙げられる。これまでLLRF制御システムは大きな問題もなくその性能を発揮してきたが、使用されているFPGAが古くなり、最新の開発環境でサポートされないなど今後の維持は困難になることが予想されている。このため、MTCA.4ベースにした新しいシステムにより、既存のVMEシステムを置き換えることを検討中である。この発表では、次世代LLRFシステムの構成、これまでに実装されている機能、テスト結果について報告する。

論文

Similarity analysis on neutron- and negative muon-induced MCUs in 65-nm bulk SRAM

Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 真鍋 征也*; 安部 晋一郎; 渡辺 幸信*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 66(7), p.1390 - 1397, 2019/07

 被引用回数:13 パーセンタイル:82.61(Engineering, Electrical & Electronic)

SRAMにおける複数メモリセル反転(MCU: Multiple-cell Upset)は、誤り訂正符号では対処できないため、電子機器への放射線影響として大きな問題となる。環境中性子線起因MCUについては特性評価が行われている。一方、負ミューオン起因MCUに関しては最近報告がされるようになってきた。中性子起因MCUと負ミューオン起因MCUは、ともに二次イオンによって生じるため、ある程度類似性があると予想される。そこで本研究では、65nmバルクSRAMへの、連続エネルギー中性子、準単色中性子および単色負ミューオン照射ソフトエラー測定実験を行い、負ミューオン起因MCUと中性子起因MCUの測定結果の比較を行った。その結果、MCUイベント断面積の動作電圧依存性はほぼ同じであることを明らかにした。またモンテカルロシミュレーションを行った結果、実験結果と合致する結果が得られた。

論文

Estimation of muon-induced SEU rates for 65-nm bulk and UTBB-SOI SRAMs

真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 安部 晋一郎

IEEE Transactions on Nuclear Science, 66(7), p.1398 - 1403, 2019/07

 被引用回数:8 パーセンタイル:66.68(Engineering, Electrical & Electronic)

宇宙線起因ソフトエラーは、地上の電子機器にとって大きな脅威であることが知られている。近年は、電子機器のソフトエラー耐性の低下に伴い、宇宙線ミューオン起因ソフトエラーが注目されている。これまでの研究では、正ミューオンのみに関する照射試験やシミュレーション結果からソフトエラー発生率(SER)が予測されていた。本論文では、65nmバルクおよびUTBB-SOI SRAMに対するミューオン起因SEU率を、負ミューオンと正ミューオンの両方の実験値を用いて評価した。実験の結果、バルクSRAMの負ミューオン起因SEU断面積は、UTBB-SOIよりも著しく大きいことが判明した。またPHITSシミュレーションと実験結果より地上でのミューオン起因SERを推定した結果、建屋1階におけるミューオン起因SERは中性子起因SERの10%であることを明らかにした。

論文

Development of a radiological characterization submersible ROV for use at Fukushima Daiichi

Nancekievill, M.*; Jones, A. R.*; Joyce, M. J.*; Lennox, B.*; Watson, S.*; 片倉 純一*; 奥村 啓介; 鎌田 創*; 加藤 道男*; 西村 和哉*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 65(9), p.2565 - 2572, 2018/09

 被引用回数:25 パーセンタイル:91.9(Engineering, Electrical & Electronic)

福島第一原子力発電所の格納容器内に水没した燃料デブリを探査する技術の開発に貢献するため、小型の放射線検出器とソナーを搭載した遠隔水中ロボット(ROV)システムの開発を行っている。線量率モニタリングおよび$$gamma$$線分光法のための臭化セリウム(CeBr$$_{3}$$)シンチレータ検出器をROVに統合し、実験室および水中の両条件で$$^{137}$$Cs線源を用いて実験的に検証した。さらに、IMAGENEX 831Lソナーと組み合わせたROVは、水プール設備の底に置いた模擬燃料デブリの形状およびサイズを特徴付けることができた。

論文

Negative and positive muon-induced single event upsets in 65-nm UTBB SOI SRAMs

真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 中野 敬太*; 佐藤 光流*; 金 政浩*; 安部 晋一郎; 濱田 幸司*; 反保 元伸*; et al.

IEEE Transactions on Nuclear Science, 65(8), p.1742 - 1749, 2018/08

 被引用回数:8 パーセンタイル:62.99(Engineering, Electrical & Electronic)

近年、半導体デバイスの放射線耐性の低下に伴い、二次宇宙線ミューオンに起因する電子機器の誤動作現象が注目されている。本研究では、J-PARCにおいて半導体デバイスの設計ルール65nmを持つUTBB-SOI SRAMへミューオンを照射し、シングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)断面積のミューエネルギーおよび供給電圧に対する依存性を明らかにした。実験の結果、ミューオンの照射エネルギーが35MeV/cから39MeV/cの範囲では、正ミューオンに比べて負ミューオンによるSEU断面積が2倍から4倍程度高い値となった。続いて、供給電圧を変化させて38MeV/cのミューオンを照射したところ、電圧の上昇に伴いSEU断面積は減少するが、負ミューオンによるSEU断面積の減少幅は、正ミューオンと比べて緩やかであることを明らかにした。さらに、PHITSを用いて38MeV/cの正負ミューオン照射実験を模擬した解析を行い、負ミューオン捕獲反応によって生成される二次イオンが、正負ミューオンによるSEU断面積のミューエネルギーおよび供給電圧に対する傾向の差異の主因となることが判った。

論文

Measurement and mechanism investigation of negative and positive muon-induced upsets in 65-nm Bulk SRAMs

Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 真鍋 征也*; 渡辺 幸信*; 安部 晋一郎; 中野 敬太*; 佐藤 光流*; 金 政浩*; 濱田 幸司*; 反保 元伸*; et al.

IEEE Transactions on Nuclear Science, 65(8), p.1734 - 1741, 2018/08

 被引用回数:14 パーセンタイル:81.7(Engineering, Electrical & Electronic)

設計ルールの微細化に伴い半導体デバイスのソフトエラーへの感受性が高まっており、二次宇宙線ミューオンに起因するソフトエラーが懸念されている。本研究では、ミューオン起因ソフトエラーの発生メカニズムの調査を目的とし、J-PARCにて半導体デバイス設計ルール65nmのBulk CMOS SRAMへミューオンを照射し、ソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)を測定した。その結果、正ミューオンによるSERは供給電圧の低下に伴い増加する一方で、負ミューオンによるSERは0.5V以上の供給電圧において増加した。また、負ミューオンによるSERは正のボディバイアスを印加すると増加した。更に、1.2Vの供給電圧において、負ミューオンは20bitを超える複数セル反転(MCU: Multiple Cell Upset)を引き起こし、MCU率は66%に上った。これらの傾向は、負ミューオンによるSERに対し、寄生バイポーラ効果(PBA: Parasitic Bipolar Action)が寄与している可能性が高いことを示している。続いて、PHITSを用いて実験の解析を行った結果、負ミューオンは正ミューオンと比べて多量の電荷を付与できることがわかった。このような付与電荷量の多いイベントはPBAを引き起こす原因となる。

論文

Development of radiation-resistant in-water wireless transmission system using light emitting diodes and photo diodes

武内 伴照; 柴田 裕司; 大塚 紀彰; 上原 聡明; 土谷 邦彦; 柴垣 太郎*; 駒野目 裕久*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 63(5), p.2698 - 2702, 2016/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:28.28(Engineering, Electrical & Electronic)

福島第一原子力発電所事故の教訓から、耐放射線性を有する水中無線伝送システムの開発を開始した。本研究では、$$gamma$$線照射下におけるLEDとフォトダイオード(PD)の発光及び受光素子としての適用性を調べた。この結果、市販のLED及びPDに対する1MGyまでの$$gamma$$線照射試験から、光学的特性の劣化主因は、半導体部の照射損傷ではなく、樹脂レンズ部の放射線着色であることが示唆された。一方、使用候補であるLED及びPDを用いた水中5mにおける光伝送を検討したところ、光吸収や1MGy時の暗電流増加を考慮しても受光が可能な信号レベルであると見積もられた。以上より、LED及びPDを用いた耐放射線性を有する水中無線伝送システムの構築に見通しが得られた。

論文

Investigation of single-event damages on silicon carbide (SiC) power MOSFETs

水田 栄一*; 久保山 智司*; 阿部 浩之; 岩田 佳之*; 田村 貴志*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 61(4), p.1924 - 1928, 2014/08

 被引用回数:94 パーセンタイル:99.19(Engineering, Electrical & Electronic)

Radiation effects in silicon carbide power MOSFETs caused by heavy ion and proton irradiation were investigated. In the case of ions with high LET, permanent damage (increase in both drain and gate leakage current with increasing LET) was observed and the behavior is similar to the permanent damage observed for SiC Schottky Barrier diodes in our previous study. In the case of ions with low LET, including protons, Single Event Burnouts (SEBs) were observed suddenly although there was no increase in leakage current just before SEBs. The behavior has not been observed for Si devices and thus, the behavior is unique for SiC devices.

論文

Enhanced charge collection by single ion strike in AlGaN/GaN HEMTs

小野田 忍; 蓮池 篤*; 鍋島 佳明*; 佐々木 肇*; 矢嶋 孝太郎*; 佐藤 真一郎; 大島 武

IEEE Transactions on Nuclear Science, 60(6), p.4446 - 4450, 2013/12

 被引用回数:41 パーセンタイル:94.8(Engineering, Electrical & Electronic)

窒化ガリウムの高電子移動度トランジスタ(GaN HEMT)は、宇宙用の高周波デバイス(固体素子増幅器: SSPA)としての応用が期待されているが、その照射効果については明らかになっていない。今回、単一重イオン(18MeV Ni)入射による過渡電流を観測し、その電荷収集量について調べた。その結果、オフ状態(ゲートバイアス-10V)においてはバイポーラ効果に起因する過剰電荷収集が観測され、ピンチオフ状態(同-2.5V)及びオン状態(同-10V)においては、バイポーラ効果に加えてバックチャンネル効果に起因する過剰電荷収集が数ナノ秒という長時間にわたって観測されることが判明した。このような過剰電荷収集と放射線損傷との関係を調べた結果、放射線損傷による電気特性の劣化が過剰電荷収集を抑える働きがあることが明らかとなった。

論文

Heavy-ion induced anomalous charge collection from 4H-SiC Schottky barrier diodes

牧野 高紘; 出来 真斗; 岩本 直也; 小野田 忍; 星乃 紀博*; 土田 秀一*; 平尾 敏雄*; 大島 武

IEEE Transactions on Nuclear Science, 60(4), p.2647 - 2650, 2013/08

 被引用回数:18 パーセンタイル:79.79(Engineering, Electrical & Electronic)

SiCデバイスのイオン誘起破壊現象研究の一環として、逆方向電圧を印加したn型六方晶(4H)SiCショットキーダイオードへ重イオンを照射し、ダイオード内で収集される電荷量を測定した。その結果、イオンの飛程がエピタキシャル層厚と同等、もしくはそれ以上の場合に、本来、入射イオンがイオンダイオード内に生成する電荷量を越えた多量の電荷収集が発生することが観測された。解析の結果、ショットキーダイオードにおける過剰な電荷収集においては、イオンの飛程とエピタキシャル層厚の関係が重要なパラメータであり、エピタキシャル層と基板の界面付近で発生した電荷によりポテンシャルが変動し、基板側から電荷が流れ込むという描像で説明できることが見いだされた。

論文

Electronic transport transition of hydrogenated amorphous silicon irradiated with self ions

佐藤 真一郎; 大島 武

IEEE Transactions on Nuclear Science, 60(3), p.2288 - 2299, 2013/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.69(Engineering, Electrical & Electronic)

自己イオンである、陽子線及びシリコン照射による水素化アモルファスシリコン薄膜の電気伝導度変化について調べ、変化を引き起こすメカニズムを系統的に明らかにした。低フルエンス領域ではドナー型欠陥の生成に伴う電気伝導度及び光伝導度の上昇が起こるが、これは照射量を増やすとすぐに消失する。さらに照射を続けると、これらは深い準位の欠陥の蓄積に伴ってキャリア寿命の減少及び多数キャリア濃度の減少が起こり、むしろ減少に転じる。その後光伝導はほぼ完全に消失するが、さらに照射量を増やすと、今度は暗伝導度が劇的に上昇し始める。この高フルエンス領域での電気伝導度の上昇は、深い準位の欠陥の過剰な蓄積に伴うキャリアのホッピング遷移に起因しており、これはイオン照射によって支配的な電気伝導メカニズムがバンド伝導からホッピング伝導へと変化したことを意味している。こうした一連の変化の現れ方は照射するイオン種によって異なるが、それは核的エネルギー付与と電子的エネルギー付与の比率の違いによって解釈できることが判明した。

論文

Applicability of redundant pairs of SOI transistors for analog circuits and their applications to phase-locked loop circuits

槙原 亜紀子*; 横瀬 保*; 土屋 義久*; 宮崎 良雄*; 阿部 浩之; 新藤 浩之*; 海老原 司*; 丸 明史*; 森川 剛一*; 久保山 智司*; et al.

IEEE Transactions on Nuclear Science, 60(1), p.230 - 235, 2013/02

 被引用回数:6 パーセンタイル:44.02(Engineering, Electrical & Electronic)

デジタル回路において放射線耐性を飛躍的に向上させる技術として既に確立されているRadiation Hardening By Design (RHBD)技術の一つであるSOIトランジスタペアをカレントミラー回路等のアナログ回路にも拡大可能であることを検証した。具体的にはそのアナログ回路を適用したPLL回路を実際に作製し、TIARAサイクロトロン加速器を用いてイオン照射を実施した。その結果すぐれた耐放射線性を有することを確認した。

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